■2013年5月宿泊
Check In
「ホテルオークラ札幌(2021年9月閉館)」が位置しているのは市電が走る南一条通り沿い。地下鉄大通駅の3番出口からはすぐ。札幌駅からもタクシーで5分程度でしょうか。時計台や旧北海道庁、大通公園、すすきの等の主要スポットは徒歩圏内とアクセスは良好です。
ただし、敷地内には駐車場が無く、近隣の提携駐車場を利用しなければならないのは大きなマイナスポイント。
当ホテルの前身である「ホテルアルファ・サッポロ」の開業から30年以上が経過し、建物は古さを隠せないけれど、重厚な赤煉瓦の外観は威厳を感じさせます。
小ぢんまりとしたホテルなのでエントランスもコンパクト。中央の回転ドアは使用されておらず、ドアマンも不在です。
ロビーの床は大理石張りで、中央にはソファを配置。赤煉瓦は内装でも多用されていて暖かみのあるインテリアです。
チェックインの手続きは座って行うスタイル。いかにもオークラらしいベテランスタッフが対応してくれました。オークラホテルズ&リゾーツとJALホテルズの新しい会員組織「One Harmony」の会員だからかサインだけで手続きはあっさり完了。ベルの案内で客室へ向かいます。
この日アサインされたのは14階。当ホテルでは14~15階をエグゼクティブフロアと位置付けています。専用ラウンジはありませんが、朝夕刊やウェルカムフルーツのサービス、バスローブやパジャマなどのアメニティで差をつけているようです。
渡されたルームキーは旅館みたいな長いキーホルダーつき。
客室階のエレベーターホールは建物の端っこに位置し、アームチェアが2脚と折り鶴のアートが置かれています。
廊下は南に向かって一直線。客室は「ホテルオークラ東京」と同じく2部屋ずつ互い違いに設置され、ドアを開けた時に向かいの部屋と鉢合わせすることはありません。
でも、照明が半分消灯されているのはちょっと悲しい。こんなところでケチらないでほしい。
なお、廊下突き当たりの窓からは、すすきの「nORBESA(ノルベサ)」の観覧車「ノリアビュー」が見えました。でもこの方角に客室は無いんですよね。
Room
利用したのは「エグゼクティブスーペリアツイン」。面積は35㎡、天井高は2.6mです。
ホテルオークラだけに和の風情を感じさせるデザインかと思いきや、明るくナチュラルなインテリアです。
玄関部分はフローリング。ベッドとバスルームの間には弧を描くルーバー状の衝立が設置されています。
そのスペースには磨りガラスドアのクローゼットが置かれ、中にはバスローブ、使い捨てスリッパとリセッシュが用意されています。リセッシュはビジネスホテルの定番常備品で、逆にシティホテルではあまり見かけないアイテム。北海道名物のジンギスカンは強烈な匂いが服に残るので、これは嬉しいかもしれません。
壁際には明るい木目のロングカウンターがあり、ライティングデスクやチェストが一体化されています。その正面には同じ色合いの大きなパネルが貼られ、その一部が鏡になっています。これらの質感は今ひとつな印象です。
ティーセットはカップとグラスが2つずつ。ティーバッグはコーヒー、ダージリンティー、ほうじ茶、煎茶、梅昆布茶と種類豊富。それにロイズの「バトンクッキー」もありました。アイスペールは置いてあるものの、氷はセルフサービス。(製氷機は5階のみ)
スタンドライトは強力で明るさは問題無いけれど、デスクは奥行きが48cmしか無く、チェアは座り心地が固く、肘掛けの無いタイプ。コンセントが少し離れたティーセット付近にあるのも不便に感じました。それに、机上には蟹やお菓子などのお土産パンフレットが数多く並べられていて片付けるのがちょっと面倒。
インターネット接続は有線・無線共に無料。しかし下り6.7M、上り1.4Mbpsと低速です。テレビはSHARP製「AQUOS LC32-E7」。DVDプレーヤーなどはありません。
エグゼクティブフロア特典のウェルカムフルーツです。
冷蔵庫の中はサッポロクラシックがあるだけで北海道らしさは控えめ。
窓際にはアームチェアが2脚と丸テーブル。チェアのデザインは時代を感じさせるしキズも気になるけれど、座り心地は悪くない。
ベッドはフランスベッド製の薄っぺらいマットレス。寝心地は「グランドプリンスホテル高輪」のそれと同じくらいに固く、シーツもザラザラ。残念ながら快適とは言い難い代物。ベッド単体でいえばシェラトンホテル札幌(現エミシア札幌)の「シェラトン・スイート・スリーパーベッド」の圧勝です。
折り鶴が置かれていたり、パジャマやフットマットがセットされている割にベッドスローは外さないっていう中途半端なセッティングもオークラチェーンらしい。
ナイトテーブルは中央に一台。電話とコントロールパネルでほぼ手一杯のコンパクトなもの。エグゼクティブフロア仕様のパジャマは2ピースタイプでした。
ルームサービスは7:00~23:00。スパゲッティミートソース・クラブハウスサンド(共に1,600円)など手頃なメニューが多い印象です。アメリカンブレックファーストは2,000円。卵料理はフライorスクランブル、付け合わせはハムだけの寂しい内容。
Bath Room
バスルームはユニットタイプながら明るくて清潔感も十分。壁はタイルと大理石を組み合わせたもので、シンクトップには御影石が使われています。ボウルは大きくて深いので非常に使いやすい。でも鏡が曇り止め加工されていないのは痛すぎます。
アメニティは充実しています。基礎化粧品は無いけれど、ツメやすりや入浴剤(バブ)、ソーイングキットもありました。シャンプー類は大ボトルの「atty Precieux」の他、資生堂製ホテルオリジナルボトルも用意されています。
バスタブは深さがあり、シャワーカーテンは二重とワンランク上の設え。ただし、水圧は今ひとつで湯を溜めるのには時間がかかります。
View
今回の部屋はホテルのエントランス側(東側)。周囲は雑居ビルでつまらない眺め。ビルの谷間からはテレビ塔を望みますが、下半分は見えないので「タワービュー」とは言い難い。眺めを期待して泊まるホテルではありません。
Breakfast
朝食は1階の「コンチネンタル」と地下1階「杉ノ目」で提供されています。今回はコンチネンタルのビュッフェをいただきました。
当ホテルのメインダイニングだけに、ホテルオークラ東京の「
朝食時はテーブルクロスを使用せず紙のランチョンマットのみ。コーヒーすらセルフサービスでした。
ビュッフェの品揃えは平凡で、「オークラ伝統の」と銘打ったフレンチトーストは作り置きでカチカチ。オーキッドルームのそれとは比較になりません。
パンはいずれも残念な出来。クロワッサンはサクサク感・ふっくら感が共に感じないものでした。女性スタッフに作ってもらったオムレツはフワフワ感が少なく玉子焼みたいな固さ。
翌日、全く期待していなかった「JRタワーホテル日航札幌」の朝食が美味しかっただけに、当店の朝食はガッカリ。美味しいと感じたのは北海道産の野菜をたっぷり使ったサラダと野菜スープぐらいのもの。次回は「杉ノ目」を利用したいですね。
Impression
建物は古く、客室は一昔前のレベル。しかし、メンテナンスはきっちりされているため固いベッドを除けば好印象。ベルやフロントスタッフは折り目正しい対応で安心感たっぷり。同じ老舗でも「札幌パークホテル」よりずっと好印象です。一番の不満は朝食。品揃えも味も改善の余地ありです。
ホテルオークラ札幌
〒060-0061 札幌市中央区南1条西5丁目
TEL 011-221-2333
チェックイン14:00 チェックアウト11:00