■2016年6月宿泊
Check In
「ANAクラウンプラザホテル京都(旧「京都全日空ホテル」)」は二条城の東大手門前に建っています。最寄り駅は地下鉄東西線の二条城駅。
京都駅からは無料の送迎バスが15分おきに運行されているものの、最終便が19:45発とやや早いので使い勝手はいまひとつ。(「京都ホテルオークラ」の最終便は18:00ともっと早い)
八条口からタクシーを利用した場合は1,300円前後です。
ホテルの入口は堀川通りと並行している東堀川通りという細い道沿いに設けられています。クリスマスシーズンでもないのに玄関へのアプローチにイルミネーションが飾られていて驚きました。
エントランスへの道すがらには竹林が設けられています。
車寄せは広々とした造り。
遅い時間の到着でしたが、エントランスにはドアマンがいてタクシーのドアを開けてくれました。
ロビーは広いけれど、天井があまり高くない上に中央に地下への階段が設けられているため開放感は乏しい。
フロントはシンプルなカウンター。男性スタッフが一人で対応していて、順番待ちの列ができていました。チェックインの手続きは非常にあっさりしたもの。宿泊プランの確認や新聞のリクエストなどは無く、歓迎されている気持ちにはなりませんでした。なお、翌朝配られた朝刊は京都新聞です。
こちらはロビーに設置されている立派な洛中洛外図。
エレベーターは3基。カゴが到着するとキンコンというレトロなチャイムが鳴るのは「ハイアットリージェンシー東京」のよう。カゴの中にはバラの一輪挿しがありました。
コンパクトな客室階のエレベーターホールにはレストランの大きな宣伝パネルが置かれていて質感を著しく下げています。
廊下の天井高は2.1m、幅はわずか1.7mしかありません。所々に観葉植物が置かれているのがまだ救いですが、圧迫感は結構なもの。しかも、古びた赤いカーペットが敷かれていて雰囲気はいかにも「昭和のホテル」。これでクラウンプラザの基準を本当に満たしているのか?と疑問に感じました。
Room
今回の部屋は7階の「キャッスルビュー デラックスダブルルーム」。その名の通り窓からは二条城を望み、通常のデラックスルームに比べて客室料金は+4,000円ほど。
デラックスとはいえ、面積は28㎡で天井高は2.45mと一昔のレベルで、デザインもやはり古さを隠せません。
廊下部分は狭い。
クローゼットにはハンガーが7本と消臭剤、そしてツインバード製の靴乾燥機と松下電機製の電気ファンヒーターというレアなアイテムがありました。金庫が載っている箱はチェストかと思ったらただの台。金庫と密着しているので、盗難防止目的でしょうか。
なお、クローゼット上段に置かれたバスローブはビニール袋に入ったままという雑な扱い。
クローゼットの脇にはミニバーと冷蔵庫。
冷蔵庫の品揃えはやや寂しい。
ライティングデスクは横長で奥行きは51.6cmと少し短い。居室は暗いけれどデスクライトは強力なので不便さは感じません。
チェアはキャスター付きのビジネスタイプ。でも、手入れが悪くてギシギシと音が鳴って不快。テレビは東芝製「REGZA 32A1」。
窓際にはコーヒーテーブルを挟むように2脚のアームチェア。重厚なデザインだけど、座ってみると意外に軽い座り心地。
ベッドは180cm幅とワイドサイズで、古いフランスベッド製のマットレスの上にテンピュールのパッドが載っています。その効果は大きく、寝心地はかなり柔らかい。
ナイトテーブルは両サイドにあり、窓側のそれには後付けのOAタップがありました。
ルームサービスは23時まで(和食と中華は21時まで)。IHG・ANA系列では「長崎グラバーヒル」に代表されるように簡素なものが多いですが、当ホテルのメニューは珍しく写真が掲載されています。
なお、朝食は「スペシャルブレックファースト」が3,500円、アメリカンは2,700円、コンチネンタルは1,800円、和定食はは2,700円です。アメリカンとスペシャルの違いはジュースがフレッシュになり、シリアルとサラダがつくそうです。
Bath Room
バスルームはシンク・トイレ・バスタブが同居するタイプ。照明は黄色がかっていて壁は全面が桜模様の古いデザイン。シンク部分まではカーペットが敷かれていてスツールも用意されています。
バスタブの大きさはそれなり。シャワー&カランは水勢固定で温度だけが調整できるタイプ。古いホテルだけに水圧が低いのは仕方ないですね。
アメニティはANAクラウンプラザ共通のものに加え、ノエビア製のシャンプー・コンディショナー・ボディソープもありました。
View
窓は縦長タイプ。窓ガラスの両サイドは襖のように見えますが、実際には「シェラトン都ホテル東京」や「ホテル日航那覇グランドキャッスル」と同じくカーテンを収納するボックス。
「キャッスルビュー」と称するだけに、二条城の東大手門を望む眺めがウリ。しかし、現在は同門が改修工事中で残念ながらその姿を見る事は出来ませんでした。
それでも目の前に広がる二条城は緑が多く、昼間の眺めはなかなか美しい。但し、夜は真っ暗です。
Breakfast
朝食はカフェレストラン「
今回は「コージー」のビュッフェを選択しました。朝6:00から営業しているのは嬉しいポイント。店内はエレベーターホールを囲むようなL字型で、いかにもコーヒーショップというレトロ感の漂う内装です。
隣席との間隔は狭く、椅子がコンパクトなので快適な空間とは言い難い。しかも、テーブルは四人卓が中心なので、少人数で訪問した場合、相席にならないか心配になります。とはいえ、大きな窓の外には緑が多く、朝食にはふさわしい爽やかさを感じられます。
卵料理は目玉焼き、ゆで卵、スクランブルエッグ、スパニッシュオムレツのほか、エッグステーションでプレーンオムレツ、ホワイトオムレツ、エッグベネディクトをオーダー可能。
ビュッフェでエッグベネディクトを扱っているのは嬉しけれど、15分ほどかかるので急いでいる時は注意が必要です。卵料理以外は品数がやや少なく、ユニークなものはあまり見かけませんでしたが、ローストされたマッシュルームとスモークサーモンは美味しかった。
パンは全体的にバターの風味が強いものの、ふんわり感が不足しています。また、ヨーグルトは既製品、ジュースはフレッシュではありませんでした。(公式サイトを拝見すると、ヨーグルトバーができていたり、フレッシュオレンジジュースを謳っているので、改善されているようです。)
お店の雰囲気や料理の内容はもうちょっと頑張ってほしいけれど、若い女性スタッフ達は笑顔が溢れ、気持ちの良い対応でした。
Impression
当ホテルが「京都全日空ホテル」として開業したのは1986年なので、系列の「ANAインターコンチネンタルホテル東京(当時の東京全日空ホテル)」と同じ。リノベーションしている割には古さを感じます。てっきり「赤坂エクセルホテル東急」(1969年開業)と同じくらいの時期に建てられたのかと思っていました。
客室は狭く、家具の傷やバスルームなどは経年劣化が目立ちます。現在の高級ホテルの水準にはほど遠いのですが、眺めはやはり魅力的。
城の天守閣を望む「ウエスティンナゴヤキャッスル(現ホテルナゴヤキャッスル)」と違い、迫力あるキャッスルビューではないけれど、近隣に高層ビルが無いので開放感は高い。屋上のビアガーデン「スカイバル」は気持ちよさそうです。
目の前を流れる堀川沿いの遊歩道も散策がたのしい。今度は和モダンな内装の「デザインルーム」に泊まってみたいですね。
ANAクラウンプラザホテル京都
〒604-0055 京都市中京区堀川通二条城前
TEL 075-231-1155 FAX 075-231-5333
チェックイン15:00 チェックアウト11:00