■2018年12月宿泊
Check In
伊豆・下田の老舗リゾート「下田東急ホテル」が建つ下田市へは東京駅から特急踊り子号・スーパービュー踊り子号で約2時間40分。伊豆急下田駅からは送迎バスが運行されていて10分弱で到着します。
伊豆急下田駅からホテルまで歩くと約30分。風情あるペリーロードの散策は楽しいけれど、廃墟となっている「旧下田グランドホテル」周辺は暗いし、アップダウンが激しいのでオススメはできません。
ホテルは大浦湾に面した高台に建っています。右に見えているのは下田海浜ホテル。ここからは海岸沿いに「和歌の浦遊歩道」が整備されており、風光明媚なその道を歩いて行くと藤田観光系の下田海中水族館に繋がっています。
ホテルへはこの看板から強烈な坂を海抜56mまで登ってアプローチします。歩いて登るともうヘトヘトになること必至。
建物の裏側に位置するエントランスと駐車場。当ホテルは1962年の開業で「赤坂エクセルホテル東急」よりも更に古く、外観はいかにも昭和のホテルですね。
夜には駐車場の木々に施されたイルミネーションが美しい。
ドアマンは物腰の柔らかいベテランスタッフで、送迎バスに深々とお辞儀をされていたのが印象に残ります。
当ホテルは2016年の秋から半年間に及ぶ全館休業を経て2017年春にリニューアルオープンしました。総工費約20億円を投じて全面改装を行っており、外観は古めかしいけれど館内はとても綺麗。
3階に位置するロビーの床はフローリングで暖かみにある雰囲気に変わりました。
ロビーの前にはラウンジ「ブルー・ナティエ」。この写真では分かりませんが、大きな窓からはガーデンと海を見下ろせます。フロントはシンプルなカウンターで味気ないので、このラウンジで座ってチェックインできればリゾート気分が盛り上がるのに。
公式サイトによれば、店名のブルー・ナティエとは「フランス人画家、ジャン=マルク・ナティエが好んで使用したといわれるフランスの伝統色」とのことだそう。ここで供されるコーヒーや紅茶はミカフェートとTWGが用意され、各1,188円と高額です。
ロビー脇にはコンシェルジュデスクがありました。コンシェルジュデスクの前には「下田マルシェ」という売店。
ホテルの前には椰子の木が並ぶ南国風の「オーシャン・クリフ・ガーデン」が整備されていて、夏にはBBQディナーが開催されるらしいです。
ガーデンの先端にはベンチも用意されています。
この階段を下っていくと屋外プールがあり、さらに下ると海岸沿いの道に繋がっています。そこから5分ほど歩くと波の静かな鍋田浜ビーチがあります。
建物は1962年の開業当初から建つ本館とその10年後に竣工した東館の2棟。とはいえ、両棟は各階でシームレスに繋がっているため「成田東急ホテル(現マイステイズプレミア成田)」と同じく、館内にいると2棟であるとは感じにくい。
全客室が海側にあるわけではなく、駐車場側にも設けられています。
エレベーターは本館と東館にそれぞれ1基ずつ。本館のそれは非常に古いもので、フロアに到着してドアが開くときにガクンという大きな衝撃があります。
ホテルでは珍しく階段が開放されています。
客室は本館の3〜6階と新館の1〜6階にあります。廊下は天井が低く2.2m、幅は1.8m。
Room
客室は16㎡の「スタンダードダブル」から68㎡の「ロイヤルクラシカルスイート」まで全112室。
今回利用したのは最上階6階の「オーシャンビュー スーペリアツインルーム」です。
ドアを開けると扉の無いクローゼット。ハンガーは6本。スリッパはなんとビニールスリッパのみでガッカリ。マイスリッパの持参がオススメですね。
クローゼットの横にはティーセットと空っぽの冷蔵庫。地元の老舗洋菓子店「日新堂」のマドレーヌが用意されているのは嬉しい。
ティーセットは緑茶とほうじ茶、「ブルー・ナティエ」と同じくミカフェートのレギュラーコーヒーとTWGのダージリン。
客室面積は24㎡、天井高は2.4m。居室は入り口から窓に向かってわずかに扇形に広がっています。
改装後はオリーブグリーンとターコイズブルーを基調としたリゾートらしいデザイン。ただ、飾りっ気はほとんど無く、とてもさっぱりしたインテリアになっています。
家具はとてもシンプルなデザイン。ラゲッジ台の下は空洞になっています。
テレビは日立製「Wooo L43-H3」。
下部は2×2の引き出し。バスルームのシンク周りが狭いためか、ドライヤーはここに収納。
ナイトウェアは厚手のワンピースタイプ。アイロン糊が効いていてパリパリ。このナイトウェアで浴場へ行くのはOK、ロビー・レストランはNGです。
この部屋にライティングデスクは無く、コーナー部分にテーブルとチェアが2脚。グラスとコーヒーカップはテーブル上に置かれています。
ベッドはハリウッドツインで、マットレスは110cm幅の日本ベッド製「Beads Pocket」。同社の「Silky Pocket」に比べると少し固い。
ナイトテーブルは両サイドにあり、コンセントも用意されています。
ルームサービスの朝食は7:30〜10:00で「コンチネンタルブレックファースト(3,240円)」など。夕食は17:30〜20:30で「カレー(ビーフorシーフード)(2,900円)」など軽食が中心らしいのですが、室内にメニューは見当たらず詳細は不明。また、春休みとGW期間中は休止するとのことです。
Bath Room
古いホテルらしくバスルームはコンパクト。改装済みですが、ドアノブは古いままでアンバランス。
壁はレモンイエローとブルー、床はモザイクのような細かいタイル張りです。
シンクは小さく、私物を置くスペースがほとんど無いため使い勝手は悪いです。
シャンプー類と基礎化粧品はタルゴジャポンの「LA MER」というライン。パウチタイプは「ザ・ナハテラス」などで導入されているラインとは異なり、「TJ」としか書かれていないので同社製のものとは分かりづらい。
バスタブは深さがあるものの長さは無く、お湯に浸かると体育座り状態。シャワーの水圧も弱いです。とはいえ、大浴場があるためこのバスタブを使うことはほぼありませんでした。
View
窓は幅2.43×高さ1.1m。一部は開けられるので爽やかな外気を取り入れることができます。
当ホテル最大の魅力はなんと言ってもこの眺め。全面に大海原が広がるオーシャンフロントではなく、大浦湾を見下ろす眺め。天気が良ければ伊豆七島を望むことができます。
本当なら、「ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル」のように、眺めを堪能できる窓向きのチェアがあると良いのですが、この部屋の狭さでは難しい。
Breakfast
朝食はロビー階「
店名の「マ・シェール・メール」とはフランス語で「私のお気に入りの海」、「番所」はホテル周辺に海の関所である番所がかつて設置されていたことに由来します。
改装前はフレンチ「フェニックス」と和食「はまゆう」の2軒に別れていたレストランを1軒に統合したこともあり、美しい海の幸を素材としたフレンチと和食を同時に味わって欲しいという想いが込められているそうです。
お店はガーデンに面していて、大きな窓から差し込む朝日が気持ち良い。120席とオオバコながら、ビュッフェ台が隔離されいるので慌ただしさはあまり感じません。2人用テーブルも大きく、隣席との間隔もゆったりしています。
なお、朝食会場は当店のみのため、混み合うと30分以上待つことがあるそうです。そのため、チェックイン時に「来店する前に内線を架けて混雑状況を確認してほしい」と言われました。
しかし、このオペレーションは現場に余計な負荷を掛けているかもしれません。スタッフが電話を取り切れず、鳴りっぱなしになっていることもあって耳障りでした。
客室にはこのようなマップが置かれているのは親切なサービスだと思います。
料理は結構種類豊富で、干物や、さばみりん、金目鯛と野菜の蒸篭蒸し、わさび漬けといった伊豆の名産品が並びます、他には自家製豆腐、肉ジャガ、筑前煮、レンコン金平、赤シャリの握り寿司(この日はコハダ、サーモン、穴子、鰹、イカ、海老)、イカソーメン、スモークトラウト、アラ汁、もありました。そしてなんと、朝からワインや日本酒も用意されています。
鰹節、青ネギ、揚げ玉にしらすと生姜を載せて作る「潮鰹うどん」は美味しくてオススメです。
人気なのは圧倒的に和食で、ご飯をよそう順番待ちの行列ができていました。
その反面、洋食メニューはやや少なめで、エッグステーションはありません。ベーコン、ソーセージ、スクランブルエッグといった定番メニュー以外ではポテトグラタン、自家製ローストポーク、ジャガイモの豆乳スープ、そしてスパニッシュオムレツお好み焼き風、キャベツのオリーブオイルソース和えなど。
Spa
1階には温泉施設があります。自家源泉ではなく、下田温泉(株)が供給する循環式。
広さはそこそこで、洗い場は8つあり。男湯の露天風呂は伊豆七島を望むことができる檜風呂。低層なので眺めは客室の方が上ですが、星空を眺め眺めながらの入浴を楽しめます。お湯は温めなので長時間はいっていられるのも嬉しいポイント。
フェイスタオルは用意されていますが、バスタオルは部屋からもっていく必要があります。
Impression
古いホテルですが改装されているので館内はとても綺麗。朝食が思いのほか良かったのも嬉しい。
ただ、テレビを大型化したり空気清浄機を置くよりもスリッパを使い捨てにするとか大浴場にバスタオルを置く方が優先ではないかと感じました。
また、朝食の混雑状況の電話対応については、客室のテレビで混雑状況を確認できるドーミーインの方が進んでいますね。
スタッフはみな好印象。清掃スタッフも廊下ですれ違うと笑顔で挨拶してくれました。
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下田東急ホテル
〒415-8510 下田市5-12-1
TEL: 0558-22-2411
チェックイン15:00 チェックアウト11:00