■2015年3月宿泊
Check In
ヒルトップホテルこと「山の上ホテル」へは御茶ノ水駅から歩いて5分程度。明治大学リバティータワーの角を曲がり、ホテルを見上げるように坂を上るルートが一般的ですが、駅からは一旦下ってから上ることになるため傾斜がきつい。
杏雲堂病院前の交差点を右折し、同大学アカデミーコモンの裏を抜けてアクセスする方が傾斜は少し緩やかです。
当ホテルはかつて本館と別館の2棟構成でしたが、2014年6月に別館が閉鎖されて現在は本館のみの営業。その本館は1937年に竣工したアールデコ調の6階建て。
中央の飛び出た部分は「モーツァルトルーム」と呼ばれ、オーディオセットが完備された601号室です。いつかは泊まってみたいですね。
フロントは旅館の帳場を思わせる小さなもの。チェックインの手続きはスムーズで、事前にリクエストしていた消臭対応もきっちり確認されました。小さなホテルながらベルボーイが待機していて客室まで案内してくれました。
フロント両側のロビーにはアンティークな時計や多数の革張りソファ、ライティングデスクが並べられています。
ここではゆったりとした時間が流れているように感じられます。
ルームキーは当ホテルの雰囲気にマッチした真鍮製。ただ、非常に大きなキーホルダーがついていて持ち運びには不便です。
階段もロビーと同じくふかふかの赤い絨毯敷き。
階段付近にもライティングデスクが置かれているのはユニークですね。
エレベーターはフロント前に一基のみ。リノベーションされているので見た目は綺麗ですが、カゴが各階に停止する度にガクンという大きなショックがあります。それは「シェラトン都ホテル東京」や「京都ホテルオークラ」のそれよりも大きなもの。
客室のドアは木製。どことなく雰囲気は軽井沢「万平ホテル」のアルプス館に似ています。
Room
今回の部屋は「デラックスシングル」。この客室タイプには洋室と和室があり、今回はあまり下調べせずに和室を選択しました。
ドアを開けるとタイル敷きの踏み込みがあり、ここで靴を脱ぐスタイル。ドアを開けた瞬間からイグサの香りが漂います。てっきり「ホテル椿山荘東京」のような和風かと思いきや、本当に「和室」でした。
踏み込みのクローゼットには予備の枕や浴衣などが収納されています。セーフティボックスはありませんが、使い捨てスリッパが用意されていたのはちょっと驚き。
部屋の面積は21㎡。洋室であれば狭さを感じる広さですが、和室では狭さをあまり感じないのが不思議。
入り口付近に置かれたティーセットは緑茶と3種の紅茶。
冷蔵庫の中はドリンクがぎっしりと入っていて、ウイスキーなどのミニチュアボトルも種類豊富です。
その反面、ソフトドリンクは種類少なめでしたが、ペプシ・コーラの瓶というレアアイテムがあったのが楽しい。
室内は畳敷きですが、一部には若草色のカーペットが敷かれ、旅館の広縁にありそうな座椅子二脚とテーブルがセットされています。座り心地が良くて落ち着きます。
入室してしばらくするとメイド服のスタッフがお茶と紅茶のシフォンケーキを持ってきてくれました。
窓際のライティングデスクは独立型。天板にガラスがはめこまれています。サイズは57cm×85cmと決して広くは無いけれど、ビジネスホテルにある横長型よりはずっと使いやすい。
インターネット接続は下り24.0M、上り9.9Mbps。
部屋の角には独立したドレッサー。この辺りは少し暗い上にコンセントが無いためヘアセットには不向き。
テレビは三菱電機製「REAL LCD-26ML10」。26インチの小型サイズだけどこの部屋では問題なし。
和室ですが寝具は布団では無くベッドが置かれています。和洋折衷ではあるものの、違和感はあまり無い。
日本ベッド製のかなり経年劣化した160cm幅マットレスで寝心地は非常に固い。また、リネンの肌触りはザラザラです。
ナイトテーブルは窓側に一台。ミラー状の球体ライトが印象的。ポットに冷水が用意されているのは旅館のようなサービス。
Bath Room
居室からバスルームへ行くには一段低い踏み込みを横断しなければならないので少し面倒。バスルーム内はとても狭く、シンク・便座・バスタブが同居しているタイプ。天井と壁の上部は塗り壁で境目には綺麗な装飾が施されています。
古さを感じさせるものの、安っぽさはありません。ただ下水の匂いが少しキツイのと、床にキンチョールが置いてあるのはドン引き。
シンクは非常にコンパクトでアメニティも最小限。今時珍しい掃除機のホースみたいなドライヤーが壁についていますが、普通のドライヤーも用意されています。
バスタブは深さは無いけれど長さはそれなりで、アームレスもついています。シャワーは水流が細いのでちょっと痛い。また、排水が遅いのも気になります。
シャンプー類はタイのスパブランドであるパンピューリの「ロイヤルフラワープレミアムシャンプー」。シャワージェルは無く、固形石鹸しかないのは不便。
View
窓からの眺めは明治大学のキャンパス。木々が多少見えますが、「裏側」感が強くて魅力的な眺めではありません。
Breakfast
朝食は地下一階の「ラヴィ」で。以前は有名な「天ぷらと和食 山の上」でもいただくことができましたが、現在はラヴィのみの取扱いとなっています。
ラヴィの店内は白い壁にフローリングの床でカフェのよう。ホテル館内のクラシカルさとは大きく違っていて戸惑います。
山の上で供されていた和朝食もオーダー可能ですが、今回は「アメリカンブレックファースト」をいただきました。オムレツは大きなものでふっくら。付けあわせのハムも厚切りで美味しかったです。
ルームサービスの朝食メニューは洋セットメニューの「NO.1」(1,800円)と「NO.2」(2,500円)、和朝食(2,200円)の3種類。
*現在は山の上での和朝食が復活しています。
Impression
都内では有数のクラシックホテル。それゆえ設備は古い。メンテナンスされていて清潔感は十分ですがマットレスやバスルームなどは時代遅れ。いまどき禁煙ルームが無いという点もかなり残念なポイント。
しかし、館内の静かで落ち着いた雰囲気は希有なもの。設備に不満があってもまた利用してみたいと思わせるホテルでした。
山の上ホテル
〒101-0062 千代田区神田駿河台1-1
TEL 03-3293-2311
チェックイン14:00 チェックアウト12:00