2012年9月宿泊
Check In
「帝国ホテル東京」が建つのは日比谷公園の目の前。周囲には日比谷駅、内幸町駅、銀座駅、有楽町駅など駅が多数あり、東京駅まではタクシーで5分程度。どこへ行くにも便利な立地です。
また、近辺には日生劇場、シアタークリエ、東京宝塚劇場など劇場や映画館が数多く建ち並ぶエリアで、2018年春にオープンした「東京ミッドタウン日比谷」もすぐ近く。
ホテルの建物は十字型に客室を配した本館と32階建てのタワー館からなり、フロントは本館の1階に設置されています。
タワー館にはショッピングアーケードやオフィスフロアも併設され、中2階と地下で接続しています。
本館とタワー館を結ぶ地下通路。タワー館地下はレストラン街で、当ホテル発祥の「シャリアピンステーキ」を味わえるフレンチレストラン「
日生劇場や東京宝塚劇場に面したこのエントランスを入るとカジュアルダイニング「
タクシーでメインエントランスに到着するとドアマンが気持ちのよい挨拶をしてくれましたが、ベルスタッフへの連携は特にありません。
メインエントランスは味気ない造り。
「
フロントに向かって歩いて行くと、気づいたベルスタッフがすぐさま近寄ってきました。でも「
フロントは一直線の長いカウンターで天板やラゲッジ台は大理石張り。高級感はあるけれど、デスクマットが無いのでレジストリに記入するときはやや不便な感じがします。
チェックインの手続きはあっさりとしたもの。羽田空港ゆきリムジンバスの予約をお願いすると「専用カウンターで」とつれない返事。分業制は分かるけれど、いちいち立ち寄るのは面倒です。
ルームキーは平凡なカードタイプ。案内してくれたベルボーイは「普通のお兄さん」といった感じの口調や髪型で、老舗ホテルらしい恭しさはありません。
エレベーターホールは目立たない位置にあってカゴは全8基。ここにはスタッフが3人も常駐していてボタンを押してくれます。そんなに必要なんでしょうか…。
大階段の前にはいつも綺麗な生花がディスプレイされています。
こちらはオープン前の「ランデブーラウンジ」。
客室は7〜16階に設けられ、最上階の17階は「嘉門」などのレストランフロアです。
「インペリアルフロア」の14階でエレベーターを降りると着物姿のアテンダントが待っていました。エレベーターホールはゴールドを多用していてど派手なデザインです。
エレベーターホールと廊下との間にはセキュリティドアがあって通り抜けるにはルームキーが必要ですが、気づいたアテンダントが開けてくれることが多かったです。
セキュリティドアを抜けた廊下は一転して派手さ抑えめ。
Room
今回の部屋は「デラックスダブル」。本来はスーペリアタイプの予約でしたがアップグレードしていただけました。部屋の広さは35㎡。このクラスのホテルとしては平均以下だけど、数字よりはやや広く感じます。
インテリアはえんじ色や茶系色を多用していて、落ち着くというか渋いデザイン。空調にシャープのプラズマクラスターが組み込まれているのが面白い。
クローゼットは曇りガラスのスライドドア。シンプルというか、これといって特徴の無いクローゼットです。置いてあるスリッパはホテルのロゴすら入っていない安っぽいタイプでちょっと驚き。
「
アーモアとチェスト、ミニバー、ラゲッジ台は一体化していて大型のもの。質感は高いけれど、やや圧迫感があります。
テレビはSHARP製「AQUOS LC-37DS3」。右側のハンドルを引き出せばソファ側に向けることができ、コンポジットの入力端子もついています。でもブルーレイやDVDプレーヤーはありません。
ラゲッジ台の表面は滑り止めのコルク敷きで下部は三段のチェスト。収納力は十分。
ティーカップや湯飲みはホテルオリジナル。ミネラルウォーターは2本無料、日本茶のティーバッグは緑茶と梅昆布茶が2つずつ。
ミニチュアボトルは豊富な品揃え。
冷蔵庫の中はぎっしりで、私物を入れるスペースはありません。
テレビの横にはデスクチェアがもう一脚とFAX。もはや標準装備する必要性をあまり感じないアイテムですね。
デスクは大きなもので、「
インターネット接続は有線・無線共に無料。無線でネットワークに接続する際のパスワードは引き出しのディレクトリに記載されており、チェックイン時に渡されるカードに記載のパスワードは接続後のログイン時に使用するものです。
高級ホテルでも意外に貧弱な回線が多い中、この部屋では下り49.1Mbpsとなかなかのスピードが出ていて快適に使用できました。
リビングスペースにはラウンドテーブル、一人がけのソファ、そして革張りのリクライニングシートが置かれています。この「おじいちゃん家の書斎にありそうな」リクライニングシートにはオットマンも用意されています。
この椅子に座っての読書を想定しているのか、脇にあるスタンドライトは部屋全体を照らすと言うより読書灯のようなものです。
ベッドは「スリープワークス」と呼ばれるインペリアルフロア専用のタイプ。シモンズ製のポケットコイルマットレスを使用し、表面にはマイナスイオンを発生させる特殊繊維を織り込んでいるそうです。
残念ながら普通のシモンズと寝心地の違いはよく分かりませんでしたが(汗)、シーツの肌触りは滑らかで非常に快適。
ナイトテーブルは両サイドにあり、照明のコントロールボックスも両方についています。
リクエストベースのパジャマは2ピースタイプ。
Bath Room
ベッドサイドのコーナー部分、曇りガラスの扉を開けるとバスルーム。パウダースペースとトイレが独立した洗い場つきタイプです。決して広くはないけれどコンパクトに上手くまとまっています。
シンクはシングル。スツールつきで高級感は十分です。「
アメニティは高級ホテルらしくない品揃え。女性用の基礎化粧品などや入浴剤はありません。シャンプー類は資生堂の「AYURA」シリーズ。
壁にはSHARP製の液晶テレビが設置されていますが、バスタブからだと背面になるので「シャングリ・ラ ホテル東京」と同じく、シンクを使っている時に鑑賞する用途です。
テレビの上には掛け時計。バスルームに時計があるホテルは意外に少ないもの。ついつい朝風呂が長くなってしまう僕には嬉しい設備です。
バスタオルとバスローブはかなりフカフカ。
バスタブの深さや幅は今ひとつだけど長さは十分。しかし、せっかくの洗い場つきタイプなのに、オーバーフローがあるせいで湯を溢れさせることはできません。また、アームレストはもう少し手前にあった方が良いと思います。
シャワースペースは「
このバスルームには「自動お湯張り機能」が用意されています。ボタン一発で給湯が始まってお湯が溜まったらメロディで知らせてくれます。自宅のバスルームにも同様の機能が備わっているので日常感が強いのですが、結構便利です。
View
高層のタワー館はともかく、ビルの谷間に建つ本館では良好な眺めを期待するのは酷というもの。
少しでもマシな景色をと思い、「眺めの良い部屋を希望」とリクエストしたところ、ありがたいことに日生劇場側の部屋にアサインされました。
同劇場が視界の半分程度を遮るけれど、日比谷公園と皇居外苑の緑が広がっていて癒されます。
十字型という建物の形状ゆえ、右側を見ると他の客室と目が合ってしまいます。東京宝塚劇場が入居するビルの先には「
階下に見える低層階の屋根がボロボロでかなり汚らしい。「
夜は日比谷通りを走る車のテールランプが美しい。
Breakfast
朝食は「
アラカルトのエッグベネディクトは2種類あり、共に2,300円です。スモークサーモンとポーチドエッグが載ったものは「エッグアレキサンダー」と呼ばれ、この「エッグベネディクティン」はイングリッシュマフィン(当時はトースト)の上に牛舌と円やかな卵が載ったもの。
オランデーズソースは出しゃばりすぎない味加減で大変美味。接客ももちろん文句なし。気合いの入る朝食です。
Impression
「ホテル御三家」という言葉は完全に死語となったけれど、それでも「帝国ホテル」のネームバリューはまだまだパワーを失っていません。館内を歩いているとテレビでよく見かける大物政治家とすれ違うことが多々あります。
今回の客室はプラズマクラスターや自動給湯機能など色々と工夫されている点がありました。しかし、インテリアのデザインはどうしても年配の方向けという印象が強いです。大阪の帝国ホテルは明るい雰囲気なんですけどね。
インペアリアルフロアも特別フロアという感じはあまり無く、アテンダントをエレベーターホールに常駐させならば、クラブラウンジを設置してほしいもの。また、館内のスタッフは非常に大人数だけど、1階のエレベーター前に3人も必要なのか?と思うし、ロビーも大勢いすぎて監視されているような気分になってしまいます。
日本を代表するホテルだとは思いますが、「我が家のように寛ぐ」雰囲気には程遠い。ビジネスに集中しなければならないハイテンション時ならば良いかもしれないけれど、癒やされるようなホテルでは無い。
コストパフォーマンスも低い印象で、同じ金額を払うなら外資系ホテルを選んでしまいます。ただし、「
帝国ホテル東京
〒100-8558 千代田区内幸町1-1-1
TEL 03-3504-1111
チェックイン14:00 チェックアウト12:00